一般社団法人(非営利型) 市民の学習活動交流センター シビル
HOME シビル市民講座 アクティブ立川 シビルバザー 貸し室利用案内 会員募集 問い合わせ・アクセス 須田学習塾
シビル市民講座 【シビル市民講座 第25期】 2012年 5月〜7月

自伝から読む歴史3石橋湛山

石橋 湛山

  『湛山回想』 『石橋湛山評論集(ともに岩波文庫)
 講師:加藤 晴康さん

 第1回 5月12日(土)18時〜21時「生い立ち・学生時代」
 第2回 5月26日(土)18時〜21時「言論活動への出発」
 第3回 6月9日(土)18時〜21時「流れに抗して」
 第4回 6月23日(土)18時〜21時「戦争の時代」
 第5回 7月7日(土)18時〜21時「敗戦と占領軍」
 第6回 7月21日(土)18時〜21時「安保体制と石橋内閣」

        ★下記に講師略歴各回の概要があります。

 石橋湛山は、日本の歴代首相のなかでは希有な理念の人でした。
 彼は1911(明44)年、27歳で東洋経済新報社に入社。それは大逆事件、韓国併合の翌年のことでした。日本が帝国として拡大の道を進む時代に、湛山は『東洋経済新報』に論説の筆をとることになります。普通選挙実現のための活動や、日本の中国大陸への膨張政策に反対し、抑圧された民族の自主独立を必然と見た「小日本主義」の主張などは、「大正デモクラシー」のなかで光を放っています。そして軍部が台頭し、日本が日中戦争から太平洋戦争の破局へと進むなか、彼はその自由主義の信念を貫こうと努めます。
 敗戦後、湛山は第一次吉田内閣の蔵相となりました。しかし彼は占領軍と対立。翌年、公職通報となりました。追放が解除され政界に復帰した彼は、やがて1956年、鳩山一郎の後を受けて首相に指名されますが、病に倒れ、わずか2ヶ月で辞任を余儀なくされます。彼を継いだのが岸信介でした。対米追従を排し冷戦の枠を超えようとする湛山の志向とは異なり、日本は安保体制強化に進んでいきます。
 こうした湛山の思想と彼の歩みをたどり、現代日本の歴史をあらためて考えていきます。

   ★会場 立川シビル2A室(地図参照/JR立川駅南口徒歩3分/モノレール立川南駅徒歩1分)
   ★定員 20名(定員一杯になりしだい締め切ります)
   ★受講料 1回 1000円(会員・経済的困窮者・学生 800円/全回前納者 会員 4000円 非会員 5000円)
   ★お問い合わせ/申し込み シビル1階 月曜〜土曜 午後1時〜7時まで受付 電話・メールで予約ができます。
                      TEL/FAX 042-524-9014 mail:civiltachikawa@yahoo.co.jp
   ★郵便振替口座での申し込み可です。宛先は「00170-0-481827 シビル運営委員会」
     どの回を申し込むか、氏名・住所・電話・アドレスなどを明記してください。(用紙は郵便局にあります)

★講座終了後または途中で甲府市にある「山梨平和ミュージアム─石橋湛山記念館」訪問を自由参加で行いたい。日程は講座の中で相談。


講師略歴:加藤 晴康かとう・はるやす)さん

 1936年愛知県に生まれる。57年東京大学入学。仏文、西洋史を専修する。フランスの社会思想、植民地関係史を主に研究。愛知県立大、横浜市立大で西洋史・国際関係史を担当。横浜市立大学名誉教授。現在は高校世界史教科書の編集、執筆、日本寄場学会の活動にたずさわる。
 『ブランキ革命論集』(現代思潮社/翻訳)、『ヨーロッパ近代史再考』(ミネルヴァ書房/共著)、『日本の中のフランス革命』(専修大学歴史研究センター年報2008)などがある。


【各回の概要】


第1回 5月12日(土) 夜18時〜21時 「生い立ち・学生時代」

 日蓮宗の僧侶の子として生まれた湛山〔幼名・省三(せいぞう)〕。10歳より山梨県の長遠寺の望月日謙のもとで、その薫陶を受けて育つ。山梨一中をへて早稲田大学へ。時は日露戦争の時代。『回想』は、彼の人間形成に大きな影響を及ぼしたことどもを語る。


第2回 5月26日(土) 夜18時〜21時 「言論活動への出発」

 東洋経済新報社に入社した彼の言論活動は、「大正デモクラシー」に大きな足跡を印すことになる。普選運動への取り組み、「いかなる場合においても、『最高の支配権』は全人民にある」と断言する彼の主張は、第一次世界大戦下の対中国21ヵ条要求など日本の大陸政策への批判につながっていく。


第3回 6月9日(土) 夜18時〜21時 「流れに抗して」

 『東洋経済新報』がかかげた「小日本主義」は、湛山によって日本の膨張政策への強い批判、大陸出兵への反対として展開される。軍部の台頭、政党政治の混迷のなか、彼の自由な言論は、中央集権・官僚主義を排した分権主義の提示、女性の地位向上におよぶ。


第4回 6月23日(土) 夜18時〜21時 「戦争の時代」

 昭和初期におこった金解禁論争は、経済人としての湛山の名を高める。彼の主張に反した政府による金解禁は、昭和恐慌の引き金となり、右翼、軍部によるテロ、戦争の時代の幕開けとなる。戦時下、湛山は『東洋経済新報』が取りつぶされることも覚悟する。


第5回 7月7日(土) 夜18時〜21時 「敗戦と占領軍」

 敗戦を「前途洋々」の時が来たと迎えた湛山は、第一次吉田内閣の蔵相となり、政治の道に入る。しかし彼の主張・政策は、占領軍と対立。1947年、総選挙で当選した直後にGHQにより公職追放となる。理由は、彼が「アジアにおける軍事的、経済的帝国主義を支持し、日本の枢軸国への追従を提唱した」という、思いがけないものだった。


第6回 7月21日(土) 夜18時〜21時 「安保体制と石橋内閣」

 1956年、湛山は自由民主党の総裁に選出され首相となる。しかし石橋内閣は短命に終わった。その後の岸内閣は日米安保条約改定の道を進む。それは日本の戦後政治の大きな曲がり角だった。そのなかで病後の湛山は、独自のアジア、太平洋の平和構想を唱え、新中国との貿易実現に力をつくす。
 『回想』は、最初1951年に出版されたもので、追放解除後には及んでいない。最終回をこの時期の検討にあて、同時に全体を振り返ってまとめとする。

CIVIL 一般社団法人(非営利型)市民の学習活動交流センター シビル 須田学習塾 アクティブ立川
一般社団法人(非営利型) 市民の学習・活動・交流センター シビル
〒190-0023 東京都立川市柴崎町3-10-4
Tel 042-524-9014 Fax 042-595-9431 mail:civiltachikawa@yahoo.co.jp
Copyright(C) 2010-2017 CIVIL. All rights reserved.